進路新聞ハワイ版第10号(Shinro_Shimbun_Hawaii_Edition_Vol_10)
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8The Shinro Shimbun Hawaii EditionWednesday, August 25, 2021卒業式後に教え子との一枚生徒たちと共に笑顔で記念撮影ホノルルフェスティバルでの一枚100年超の伝統あるハワイの女子校で活躍中 日本で生まれ育ち、現在はハワイの女子校、Sacred Hearts Academyで日本語教師として活躍しているのがグラフィアなみさんです。グラフィアなみさんにこれまでのキャリアをおうかがいすると共に、日本留学を考えるハワイの若者たちに向けて応援メッセージを送っていただきました。●Profile東京都生まれ。専門学校卒業後、21歳で渡米。サンディエゴの語学学校および短期大学で英語を集中的に学ぶ。その後、現地の4年制大学に再進学、心理学を専攻。大学卒業後はUCサンディエゴメディカルセンターでクリニカルトライアルの仕事に従事しつつ、大学院に進学。2011年ハワイ移住。現在はSacred Hearts Academyにおいて日本語教師の仕事に従事。ハワイ日本語教師会の副会長も務める。―アメリカで新しい人生が始まったのですね。アはアメリカ生活を始めて最初の数年間は、とにかく英語の勉強に没頭しました。語学学校で集中的に勉強し、アメリカの短期大学に入学して英語を専攻しました。お金が厳しかったこともあり、学費をまかなうために子どもたちに数学や英語、日本語を教えるアルバイトをしながらその短大を卒業して准学士を取得し、4年制の大学へと再進学しました。 アメリカの大学は日本とは異なり、入学してから専門分野を決めるのが一般的です。私自身、渡米当初はスポーツ分野の勉強をしようと考えていましたが、アメリカで生活する中で心理学に対する興味が強く湧いてきたため、大学では心理学を専攻することにしました。心理学を学べば、精神的な面で困っている人たちをサポートする仕事への道も開ける可能性が高まると考えたのです。人を助ける仕事に興味があったため、大学卒業後はUCサンディエゴメディカルセンターでADHD(注意欠如・多動症)の人たちを対象とするクリニカルトライアルに関わる仕事に従事しました。精神的な面で悩んでいたり、学習障害を抱えたりしている子どもたちと接する機会も少なくなく、もっと専門的な勉強をしてより手厚いサポートができるようになりたくて、働きながら大学院にも通い、修士の学位も取得しました。その後、ご縁があって2011年にハワイに移り、15年からは現在のSacred hearts Academyで働いています。―やりがいや今後の目標をお聞かせください。生徒の成長を目の当たりにできることが最大のやりがいです。初めて日本語を学ぶ生徒たちもたくさんいますので、彼女たちの日本語が上達したり、話せるようになったりした時に成長を強く実感します。そうした瞬間に立ち会うことができるのが、日本語教師の大きな魅力の一つです。また、今後の目標に関しては、日本語の習得だけにとどまらず、国際人として卒業後にグローバルな視点で活躍できる人材を一人でも多く育てたいと思っています。いまは地球規模で解決していかなければいけない課題や問題が数多くあります。グローバルな視点を持って、世界の人たちと協力して国際的課題に立ち向かっていける人材を育てられたら素敵ですよね。―ハワイに住む若者たちに向けてメッセージをお願いします。多くの場合、自分が生まれ育った国の大学に進学するのはごく自然のことですが、異国の地の大学で学ぶということも自分自身を大きく成長させるチャンスになると思います。 私自身、専門学校を卒業後アメリカに留学してみて、語学の習得はもちろんのこと、多様な人たちとコミュニケーションを図る中で視野も広がり、大きく成長することができたと思っています。 特に、ハワイは日本からの観光客も多く、日本語ができるだけで目指す仕事に就くことができるチャンスはグッと広がります。日本に留学して卒業後はハワイに戻って日本とハワイの架け橋として活躍するということも十分可能でしょう。 日本に留学して得られるものはたくさんあると思いますので、少しでも日本留学に興味のあるみなさんは、勇気を出してぜひ積極的にチャレンジしてみてください。グラフィア なみさん自分のやりたいことを探し出すために専門学校を卒業後、アメリカに留学―グラフィアなみさん験をして勉強してみたいのこれまでのキャリアパと思い、アメリカに行こスを振り返ってください。うと決心しました。私は東京都で生まれ、 でも、その当時の私は千葉県で育ちまし英語はそれほど得意ではた。幼少期から身体を動なく話せなかったため、かすことが大好きで、高まずはカリフォルニア州校時代はバスケットボーのサンディエゴの語学学ル部に所属し活動してい校に入学して、英語を基ました。礎から勉強しました。い しかし、高校の卒業をま振り返ってみると、こ間近に控えても私は何がれが自分のやりたいことしたいのか、やりたいこが見つかる大きな第一歩とをなかなか見つけるこだったように思います。とができませんでした。卒業後、何かしなければと考え、好きだったスポーツを専門学校で学びながら子どもたちに水泳を教えたり、スポーツジムでインストラクターをしたりしながらという模索の毎日を過ごしていました。 当時、スポーツの研究分野は日本よりもアメリカのほうが進んでいると聞いて、アメリカに行ってもっといろいろなことを経験・勉強してみたいという思いが少しずつ強くなっていきました。真剣に考えに考え抜いた結果、他国でさまざまな経日本の学校とオンラインで交流を実現!!生徒の成長のために魅力的な授業を展開 そのためにも、授業は―現在のお仕事内容にクラス内で完結するのでついて教えてください。はなく、日本の学校の生いまはSacred hearts 徒たちとオンラインを通Academyで日本語じて交流の機会を持つな教師をしています。ど、さまざまな工夫を取Sacred Hearts Academyり入れ、日本語の習得をは、100年以上の長い歴ベースに、幅広い視野を史を持つハワイ最大級の獲得できるような授業内カトリック系の女子校で容を心がけています。す。ワイキキから自動車で約15分のカイムキ地区の住宅街に位置し、日本でいう幼稚舎に当たるジュニアキンダーガーデン(3〜4歳)から高校3年生に当たる Grade12までの教育を提供する一貫校です。学校は午前8時から授業がスタートしますので、勤務の日は7時30分頃には学校に着き、午後の3時頃まで授業を受け持つほか、次の授業に向けた準備をしたり、テストの採点をしたりと、忙しいながらも充実した日々を過ごしています。Special Interview日本語教師として、生徒たちの成長の瞬間に立ち会える喜びグローバルな視点で国際的課題を解決できる人材を育てたい

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