ハワイ新聞12号
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No.12, 2022[ Summer Special Issue](ハワイ大学ウェストオアフ校キャンパスビレッジ内)ハワイ東海インターナショナルカレッジThe Shinro Shimbun Hawaii Edition8所在地: 米国ハワイ州オアフ島西部カポレイ市学生数:122人(2022年春学期および短期・中期研修生)学 位:米国短期大学学士号(Associate in Arts:A.A.)入学者: 東海大学付属高校生(日本)学 期:4学期制学費&その他の費用:学期あたり(10週/学期)International: $4,520 US residents: $3,870 Hawaii residents: $2,070一般高校生(日本、米国、その他)ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)の概要 1992年に開校し、今年で節目の30周年を迎えたハワイ東海インターナショナルカレッジ(アメリカ合衆国・ハワイ州)。日本有数の総合大学として知られる東海大学の海外教育機関として、世界で活躍することができる有為な人材の育成に注力しています。 今年の6月22日から新たに学長に就任した吉川直人氏を訪ね、同校の特徴や魅力、ハワイに住む若者たちに向けてメッセージを送っていただきました。グローバル社会で活躍できる人材を育成学生たちは充実のキャンパスライフを過ごしている●Profi le1957年7月24日生まれ、千葉県出身。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、シカゴ大学社会科学国際関係研究科修士課程に進学。卒業後は国際連合開発計画ザンビア共和国ルサカ事務所や国際連合食糧農業機関 (FAO)など、世界を舞台に活躍。その後、ハワイ大学マノア校政治学研究科博士課程を修了。1999年9月にハワイ東海インターナショナルカレッジに就職し、2002年からは日本の東海大学教養学部の教員として多くの学生たちの指導に当たる。今年の6月22日からはハワイ東海インターナショナルカレッジの学長に就任し、現在に至る。―はじめに、ハワイ東海インターナショナルカレッジの歴史や特徴について教えてください。ハワイ東海インターナショナルカレッジは、1992年にホノルルにある東海大学の海外研究施設・東海大学パシフィックセンター内に東海インターナショナルカレッジを設立したことが始まりです。その後、米国西地区学校・大学協会から基準認定(アクレディテーション)を受け、1996年に現在のハワイ東海インターナショナルカレッジに校名を変更しました。そして、2015年にはハワイ州カポレイ地区にあるハワイ大学ウエストオアフ校にキャンパスを移転し、今年で節目の30周年を迎えました。学生たちは日本人や現地に住むハワイの人々をはじめ、アメリカ本土や中国、韓国、コロンビアなど、世界各国から学生が入学してきています。教育プログラムについては「予科」(大学準備プログラム)と「本科」(リベラルアーツ)の二つを設置しているのが特徴です。予科は、本科の授業に必要な英語力の向上と学習スキルの修得を目的としたコースで、プレースメントテストにより基礎(CP1)から上級(CP5) まで5段階に分けられ、各段階で授業を履修することにより、本科で必要な英語力を身につけます。内容は英語、世界史、地球科学、社会学、アメリカ研究の基礎を中心に学びます。本科は言語・文学、芸術・人文学、数学・科学、社会科学といったさまざまな科目群の中から授業を選択します。一般的には、5学期間(1年3カ月)をかけて60単位を修得することで、米国短期大学士号(リベラルアーツ)を取得することができます。―学生たちの卒業後の進路について教えていただけますか?本学は多くの4年制大学と編入協定を締結しており、ハワイ東海インターナショナルカレッジで取得した単位は基本的に編入先の大学で振り替えることが可能です。そのため、例年約8割の学生がハワイをはじめ、国内外の4年制大学に編入を果たしています。編入協定を結んでいるのはハワイ大学(マノア校、ヒロ校、ウエストオアフ校)、カリフォルニア州立大学、ミネソタ州立大学などで、これらの大学をはじめ、ジョージ・ワシントン大学、オレゴン大学、ニューヨーク州立大学、ウェストバージニア大学、ワシントン大学といった多くの名門大学にも編入をしています。もちろん、日本の東海大学に編入する学生も少なくありません。―ハワイ東海インターナショナルカレッジは今年で節目の30周年を迎えました。学長として、今後の目標をお聞かせください。国際的な視野を持ち、世界平和に貢献することができる人材を多数育成・輩出していくことが目標です。日本と同様に、ハワイも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を強く受けています。以前はオンライン授業を基本としていましたが、昨年の秋学期からは対面授業に戻しました。オンライン型と対面型の両方を経験してみて、オンライン授業は知識を身につけることはできますが、コミュニケーション能力を身につけるのはなかなか難しいと感じました。やはり対面での授業が重要だと強く実感しました。異なる文化や国籍の人たちと一緒に学び、ディスカッションなどをしていくことによって、グローバル社会を生き抜く上で必要な力やスキルを身につけることができると考えています。アルコール消毒をはじめとした基本的な感染症対策は今後も継続しながら、コロナ前のような充実した教育を提供できるよう、学校としてさらに努力を続けていきたいと思います。―吉川様のこれまでの人生について教えてください。私は千葉県で生まれ育ちました。千葉県立大原高等学校(千葉県いすみ市)を卒業後、中央大学(東京都八王子市)の経済学部国際経済学科に進学しました。大学時代はグローバリゼーションについて学んでおり、さらに深く学修したいと思ってシカゴ大学(アメリカ・イリノイ州)の社会科学国際関係研究科に進学しました。卒業後は、国際連合開発計画に入職し、ザンビア共和国でキャリアをスタートさせました。その後、国際連合食糧農業機関 (FAO)に移り、イタリアやトリニダード・トバゴ、バングラデシュなどで勤務しました。また、1992年には環境と開発に関する国際会議「地球サミット」がブラジルのリオデジャネイロで行われ、そのサミットに関わる仕事も行いました。その後、ハワイ大学マノア校(アメリカ・ハワイ州)の政治学研究科で再び学業に励み、卒業と同時にハワイ東海インターナショナルカレッジに就職。教員としてのキャリアをスタートさせました。2002年からは日本の東海大学で教鞭を執りながら学生たちの指導に当たり、現在はハワイ東海インターナショナルカレッジで学長を務めています。―ハワイに住む若者たちに向けてメッセージをお願いします。私はケネス・E・ボールディングの「宇宙船地球号」という言葉が好きです。地球上に住む人たちは「宇宙船地球号」に乗っていて、共存していくためには人種や国籍、文化の違いなどを受け入れ、みんなで力を合わせて環境問題や外交問題、その他さまざまな課題に立ち向かっていくことが求められます。ハワイに住む若者のみなさんにはぜひ世界に目を向け、国際社会のリーダーとなれるように積極的に国外へ飛び出し多くのことを学んでいただきたいと思います。その中でも日本は世界的に見ても非常に治安が良く、留学するには最適な国の一つだと思います。特に東海大学は現在約50カ国から1,300〜1,400人ほどの留学生が学んでいます。多彩な学部・学科で最先端の教育を提供していますので、少しでも興味・関心のある方はぜひ東海大学のウェブサイトをチェックしてみてください。世界ではいまもさまざまなことが起こっています。みなさん一人ひとりが「より良い世界を実現するんだ」という強い気持ちを持ち、これからの人生を切り拓いていって欲しいと期待しています。吉川 直人 学長Special Interview国際的な視野を持ち、世界平和に貢献できる人材を育成!ハワイの若者たちは世界に目を向け、積極的に挑戦して欲しい

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