1994年、ハワイ州オアフ島のホノルル生まれ。父方は広島県、母方は山梨県の日系4世で、幼い頃から日本のアニメーションを見て育つ。カラニ高校時代には、日本語の授業を選択し、本格的に日本語を学び始める。卒業後はハワイ大学に進学し、日本語を専攻。日本の早稲田大学への留学も経験し、日本語能力試験(JLPT)のN2資格を取得。その後は「JETプログラム」を利用した就業を経て、現在はハワイ日米協会(JASH)で教育プログラムのコーディネーターとして活躍中。6l●Profi eNo.15, 2024[ Spring Special Issue]早稲田大学に留学し、日本文化を学んだ。真剣を手にニッコリと。Japan Dayでスピーチをする大島シンディさんJETプログラムでは初めての餅つきを経験―日本に興味を持ったきっかけを教えてください。私自身が日系4世ということもあり、日本のアニメーションを見て育ち、自然と日本に興味を持つようになりました。日本のアニメは、アメリカのもの以上にストーリー性が豊かで、絵がかわいいものが多いと思います。その当時は英語で見ていましたが、現在は勉強の一環として日本語で見ることも少なくありません。―大学ではどのように学びましたか?私はカラニ高校(アメリカ・ハワイ州)に進学後、本格的に日本語の勉強を始め、日本に「旅行したい」「留学したい」と考えるようになりました。その想い入れから、ハワイ大学進学後も日本語を専攻し、3年次には早稲田大学に留学しました。留学経験で成長し、特に会話スキルが向上したように思います。留学後には、国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催する日本語能力試験(JLPT)を受験し、「幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」とされるN2レベル認定を取得することができました。留学での学びの成果が現れたのではないかと思います。に行きました。2週間という短い期間ではありましたが、日本に住みたいと感じる経験でした。 大学卒業後に日本で働いたこともあります。「また日本に住みたい」「日本で働いてみたい」という思いがあったので、日本で募集している「JETプログラム」に参加し、兵庫県神戸市内の中学校で約2年間外国語指導助手(ALT)として勤務しました。―日本で暮らしてみて印象に残ったエピソードを教えてください。電車の中の雰囲気にはとても驚きました。乗客のほとんどが静かで、大きな声を出していたり、飲食をしていたりする人がおらず、日本 幼い頃から日本のアニメーションを見て育ったという大島シンディさん。高校時代には、興味を持っていた日本語の勉強を本格的に開始し、「日本に住んでみたい」という目標を抱いたといいます。現在は日本とハワイの懸け橋となる教育プログラムを多数運営するハワイ日米協会に所属し、さまざまな形で活躍を見せています。大島さんに、日本語や日本に興味を持ったきっかけをはじめ、現在のお仕事内容についてお話をうかがいました。の文化や伝統的な教育が表れているような気がしました。高速バスの車内にワイヤレスイヤホンを置き忘れたまま降車してしまったのも印象深く覚えています。その時の私は非常にショックを受けていたのですが、バス会社に連絡すると忘れ物として保管されていることが分かりました。忘れ物が無事に戻ってきたことに驚くと共に、とても感動しました。旅行での経験はもちろん楽しいものでしたが、より日本語の上達を感じることができた場面は留学や就業経験に多かったのではないかと思います。旅行に比べると十分な時間があったため、日本各地を巡ることができたのも充実したポイントの一つでした。日本で暮らした経験を経て、自由に日本語を話すことができるようになったように思います。知ったのですが、私は日系人かつ日本で暮らしていた経験も持ち合わせていますので、それを活かすことができるのではないかと考えました。また、日本の学校での経験もあったので、教育事業を推進するJASHは私にピッタリだと思いました。―JASHが運営するプログラムについてご紹介ください。私が担当しているプログラムは、「Japan Wizards Competition」、「Japan In A Suitcase」「Japan Day」の三つです。Japan Wizards Competitionは、JASHの教育プログラムの中でも、日本に興味を持つハワイの高校生がハワイと日本の関係などに関する知識をテーマに議論するというものです。学校を代表する高校生3人が一つのチームになって挑戦してもらうのですが、成績上位のチームには日本旅行の特典があり、大会に向けて勉強したことを実際に体験する機会が設けられます。Japan In A Suitcaseは、幼稚園から小学5年生までの生徒を対象にしたプログラムです。物事や問題を多様な視点から見る方法を学ぶことを目的に、ハワイと日本文化の比較などのテーマで授業を行っています。ボランティアの募集も行っており、学年によって異なるさまざまなコンテンツが用意されています。Japan Dayは、ハワイの高校生と中学生に日本文化を紹介するイベントです。生け花や書道、そろばんや盆踊りをはじめ、茶道や着付け、空手など、多様な日本のアクティビティを用意し、体験してもらいます。今回は、私がコーディネートを担当している教育プログラムを紹介しましたが、JASHにはそのほかにもさまざまな教育プログラムがあります。興味のある方はぜひウェブサイトをご覧ください。―日本語をここまで学び続けることができた理由はどこにありますか?高校生の頃、アニメーションだけではなく、日本で人気のあるアイドルグループにも興味を持つようになりました。毎日コツコツと日本語を勉強するのはとても大変で困難なことではありましたが、そのアイドルの存在が私にとって大きなモチベーションになっており、日本語を学び続けることができたように思います。実際に留学中は、彼らが出演するドラマやバラエティー番組を欠かさずに見るように心がけていました。日本のバラエティー番組は、おもしろいセンテンスや言葉を大きな字幕で表示する傾向にありますので、日本語の勉強にとても有効的だと思います。毎日のように日本のテレビ番組を見ていたことで、「話す」スキルはもちろん、「読む」「聞く」ことに関しても、自分なりに成長を実感しました。そのアイドルグループのコンサートに参加できたことも大切な思い出です。―日本留学を考えているハワイの若者のみなさんにメッセージをお願いします。ぜひ毎日のように日本語の勉強をするようにしてみてください。継続することで、きちんと上達するのではないかと思います。漢字の勉強では、暗記が最も大切です。難しいと感じた時には、漫画を読んでみることをオススメします。漫画は、漢字に振り仮名が振ってある場合も少なくありませんので、楽しく勉強できるのではないでしょうか。The Shinro Shimbun Hawaii Edition―来日したのはその時が初めてですか?それ以前に一度、友人との旅行で日本―現在のお仕事について教えてください。現在は、ハワイ日米協会(JASH)に所属し、教育プログラムのコーディネート業務を担当しています。JASHは、日本とアメリカの理解と友好を促進するために、年間約50教育事業を実施している団体です。就職先を探すにあたりJASHの存在をSpecial InterviewSpecial Interview大島 シンディさん日本留学からの就業を経て日本語がさらに上達推しのアイドルが日本語を学び続けるモチベーションに
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